火災や自然災害など住まいの損害をカバーする手段は、火災保険と共済があります。
しかし「火災保険と共済の違いがわからない…」「どちらに加入するのがお得なの?」とお困りの方は少なくありません。
このブログでは、火災保険と共済の違いや保険料(掛け金)の比較などをどこよりも詳しく解説しました。
火災保険と共済の違いを把握すれば、ご家庭に最適な商品を選べます。
火災保険と共済の違いを理解したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
火災保険と共済の違いとは?
火災保険と共済の目的は、住宅火災に対する補償という点では同じです。
しかし、火災保険と火災共済ではいくつか異なる点があります。
- 運営母体
- 加入対象者
- 保険用語
- 補償
- 保険金
- 割戻金制度
- 地震保険
上記7つのカテゴリー別に違いをまとめてみました。
運営母体
火災保険の運営母体は保険会社、つまり民間企業である損害保険会社が運営しています。
一方で共済を運営するのは、生協や農協、漁協など一定の条件をもとに認定された非営利団体です。
民間企業である保険会社は利益を追求し、さまざまな人たちに向けて商品開発やサービス向上に努めています。
それに対して共済は、万が一の事故に備えて組合員がお金を出し合い、事故の際にそのお金で保障し合うという「相互扶助」の精神を制度化しました。
非営利団体である共済は、組合員の最低限の補償確保を前提とした保険商品が設計されているのが特徴です。
加入対象者
火災保険は、不特定多数の人たちを対象に商品を提供しています。
一方で共済に加入できるのは、特定の職業や地域、組合員など限定された人たちだけです。
新規で組合員になるには、10口以上(1口=100円)の出資金を払う必要があります。
保険用語
火災保険と共済では使用される用語も違います。
それぞれの違いは以下の通りです。
火災保険 | 共済 |
掛け金 | 保険料 |
保険金 | 共済金 |
契約者 | 加入者 |
配当金 | 割戻金 |
組合員さん向けに相見積書を作成した際に、「加入口数」という言葉に戸惑いまくった経験があります。
一体いくら保障されるのか、すぐに計算ができませんでした。。
補償内容
火災保険の補償範囲は、住まいに関する自然災害に対して幅広く補償しています。
「火災・落雷・破裂、爆発・風災・雪災・雹(ひょう)災・水濡れ・外部からの物の落下、飛来・騒擾(そうじょう)・盗難・水災・破損、汚損」
一方で共済の保障範囲はシンプルかつ最低限です。
「火災、落雷、破裂・爆発、外部からの物体の落下・飛来など」
共済の商品はパッケージ化されており、選択肢は限られています。
風災や水災などの自然災害に関する保障を求めるなら、別で自然災害共済に加入することが可能です。
保険金
保険会社は利益を追求しなければならないため、競合他社と比較検討しながら保険料を変動させます。
近年は自然災害が多発し、その分の補償を手厚くするため、火災保険料が高くなる傾向です。
それに対して、共済は非営利かつ利益を求める必要がないため、掛け金が火災保険と比較して安くなります。
割戻金制度
火災保険には割戻金制度はありません。
一方で共済は、それぞれの共済が1年間の決算をした際に剰余金が生じた場合には、組合員に還元される仕組みを採用しています。
地震保険
火災保険に加入していれば、地震保険に加入できます。
しかし共済は、地震保険への加入はできません。
政府と損害保険会社が共同で運営する地震保険は、火災保険とセット加入するという条件があるからです。
もちろん共済には、火災共済とは別に独自の地震共済や特約など地震に対する備えが用意されています。
しかし、地震で被害を受けた際に支払われる「見舞金」は、火災保険とセットで加入する地震保険と比較すると少ない金額になるので注意してください。
火災保険と共済のどちらがおすすめなの?
火災保険と共済の違いについては理解していただけましたか。
しかし、いざ自分が契約すると考えると、どちらが良いのか迷う方は少なくありません。
端的に言えば、火災保険と共済の違いは以下の通りです。
- 火災保険 ご家庭に適した補償が受け取れるが、保険料は高い
- 共済 掛け金は安いが、火災以外の保障が少ない
詳しくおすすめのタイプについてまとめましたので、参考にしてください。
火災保険がおすすめの方
火災保険への加入がおすすめな方は、以下の通りです。
- 火災以外の住まいの総合的な補償も充実させたい
- 自分の希望に沿った補償プランを設定したい
- 自然災害リスクが高い地域に住んでいる
火災保険は充実した補償内容を求めている方にピッタリです。
住まいの損害に対して補償する総合的な保険のため、火災以外の被害を受けたとしても、火災に対する補償と同額の保険金が受け取れます。
希望する補償を好きなようにカスタマイズできるので、補償内容に納得しやすいのも強みです。
しかし、1つ1つの補償が手厚いがゆえに、共済と比較すると保険料が高くなります。
自分で補償内容を選択できるため、選択肢が多すぎて加入プランを決定するまでに時間がかかったり、無駄な補償に加入したりしてしまうかもしれません。
必要性を感じない補償を外すなど火災保険の知識を深め、判断することが大切といえます。
共済がおすすめの方
共済に加入するのがおすすめな方は、以下を参考にしてください。
- とにかく掛け金(保険料)を抑えたい
- 火災に関する最低限の保障だけを賄いたい
- 火災の保障プラン設定に悩みたくない
共済は火災保険と比べると掛け金が安いので、家計の負担を減らしたい方におすすめです。
組合員全員でパッケージ化されたプランを共有するため、シンプルな保障内容で設計され、プラン選びに悩む必要がありません。
ただし、地震や風水害など保障範囲が狭くなることに注意してください。
例えば地震共済に追加加入できますが、公的な地震保険と比較して保障が手薄になる傾向があります。
さらに、火災保険は火災以外の風水災などの自然災害に対しても、火災に対する補償と同額の保険金の受け取りが可能です。
しかし、火災以外の自然災害に対する共済金は、火災と比較して限度額が小さくなっているので注意しましょう。
火災保険と共済の違いを把握して最適な選択をしよう
火災保険と共済は、どちらも火災の被害を受けた際に住まいを守る役割という点では一緒です。
しかし、手厚く幅広い補償の火災保険とシンプルな保障と手頃な掛け金の共済のように
中身は異なります。
住まいの環境やライフプランにより、ご家庭に必要な補償はさまざまです。
火災保険と共済の違いをきちんと把握して、ご家庭に最適なプランを選択してください。
何から手を付けていいかわからない方は、まずがご自宅周辺のハザードマップを入手しましょう。
そして、複数の共済や保険を比較・検討してみてください!